ほっこりするけど、胸が締め付けられる・・・【映画】運動靴と赤い金魚

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【映画】運動靴と赤い金魚

もう何度見たかわかりません。時々、急に見たくなる映画です。
1999年公開のイラン映画で、幼い兄妹のお話。

すごいレビュー高いっ!

あらすじをざっと言うと・・・

イランの貧しい家で暮らす少年アリは、修理したばかりの妹の靴を失くしてしまいます。
新たに靴を買うお金もなく、親にはとても言えないので、妹にも親に言わないでと頼みます。
その為、兄妹はアリの運動靴を2人で交代で使うことにしました。

朝は妹が運動靴を履いて登校し、昼は兄のアリがサンダルで学校の近くまで行き、
下校途中の妹ザーラと互いの靴を交換して学校へ行く毎日。
※映画の中では詳しい説明はありませんが、イランの小学校は男女別で学校に行っているようで
2人は別の時間に登校しています。

時間がギリギリなので2人は走って走って走って・・・交換する毎日。
でもアリはちょいちょい遅刻してしまいます。

でも走りまくる日々なのでだんだん足も早くなり・・・

ある日、マラソン大会が開催されると知ったアリ。
その3等の賞品はなんと運動靴!!彼は、妹の為に3等を狙います!

取り留めのない話のように思いきや、一度観ると感動しっぱなし!

まず、この2人の兄妹が本当に可愛い(о´∀`о)
お顔も可愛いのですが、不遇な環境でもいつも健気なこと!!

時々、2人のパッチリお目目に涙がぶわぁーと溢れるシーンには
胸が、く、苦しい(´;Д;`)
画面に入っていって抱きしめたい!

そんな見ていてほっこりするお話ですが、同時に兄妹の貧しい境遇に
いろいろと考えさせられます。

兄のアリは9歳ですが、家では子ども扱いではなく、立派な労働力のようです。
お父さんは時々「父さんがアリの年の頃はもっと働いて家族を助けていたぞ」みたいな
セリフがありました。

今の日本では考えられない言葉ですね。
(この映画自体も20年ぐらい前のものなので、今はまた違うかもしれませんが)

靴をなくしてしまったのも、正直に話せば(怒られるけど)また買ってくれたでしょう。
でも怒られるのが怖かったのではなくて、貧しくてとても言い出せなかった。
自分が悪いのだからなんとかしないと、と思ったのでしょう。

まだたった9歳の子どもの、この気持ちに胸が痛みます。

子どもの目を通して、イランの日常が垣間見れて興味深い

ある日、お父さんと高級住宅街に仕事を探しに行くシーンが出てきますが、
ものすごい豪華な家々!大きな貧富の差も織り交ぜてきます。。

悪い人も出てこないし、ひたすら日常が描かれているのに全然退屈しない。
社会的な問題を混ぜてきますが、本当にサラーっとさりげなく。

可哀想とか貧乏は辛いとか、そういう雰囲気は一切なく
たんたんと日常が描かれていて、イランの日常が垣間見れて興味深い。

時折出てくるお家のシーン。絨毯が美しい。

最後のシーンはちょっと悲しくて、切なくて、嬉しくて、温かくて・・・
金魚も効果的に出てきます。兄妹を労うような形で。

もう何度観たか分からないけど、ふと観たくなる瞬間があるのです。

恵まれた環境下にいる私はというと・・・

私はつい先日、いらないお洋服をたくさん捨てました。靴も。

基本的に、買うときはすごく考えて買うし、何年も大事に直しながら着ています。
それでもけっこう捨てるものがありました。

日本はとても豊かで恵まれていますが、この兄妹のように慎ましく暮らすべきとか
罪悪感を抱いて物を買うべきでない、とかは思いません

ファッションは気持ちを明るくさせるし、必要なものだと思います

また、お手頃なファストファッションをたくさん買って、
たくさん着て・・・というのも否定しません

たくさん着てみないと似合うものとか、自分の気分が上がるものとか分からないと思うし
たくさん着れば美的センスもどんどん磨かれていくと思います。

だけど、せめてそれぞれの物に愛情を持っていたいなと思います

安いからとりあえず買っておこうとか、使うか分からないけど何となく便利そうとか
そういう気持ちからは購入すべきでないと思うのです。
なければないで工夫すると思うし、想像力を養えます。

すごく胸がときめいたり、高くてもお直ししながらでも大事にしていきたいと思えるもの。

最低でも「いつ、どこで、どんなシチュエーションで」購入したか、
はっきり覚えているぐらいの愛は持っていたい。

「あれ?どこで買ったっけ?」っていうのはあまりにも寂しい。。

それが豊かな国に生まれ育った人の、物に対する「礼儀」のような気がしています。
そして物を捨てるときは「ありがとう」とお礼を言いたい

この映画は時々忘れそうになる、そんな気持ちを私に思い出させてくれます。
何より、子どもの目線からの親を想う気持ちと、兄と妹の絆に
毎回、毎回、心を揺さぶられます。

全然難しいストーリーではないので、いつか息子と見たいと思います。

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